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ノッキング対策とノッキング制御について




 ノッキングの発生は、エンジンの運転環境によって大きく左右されます。

 例えば、高温のエンジンは低温時に比べてノッキングしやすくなります。

1.吸入空気温度が11℃上昇すると、約3オクタン価の増加が必要です。
2.吸入空気温度が30℃で湿度が50%から40%に低下した場合、約1オクタン価の増加が必要です。
3.空燃比が薄くなると、耐ノック性が低下します。
4.点火時期が進むと、耐ノック性が低下します。
5.火炎伝搬速度が高まると、耐ノック性が高くなります。
6.エンドガスを冷却する事は、耐ノック性を高めます。

 このことからノッキングの発生を抑えるには、以下のような方法があります。

  • シリンダーを小型化する(シリンダー数を増やしてシリンダーの容積を減らす)
  • 圧縮時、ピストンとシリンダーヘッド間の隙間を無くす、または広げる。
  • オクタン価の高い燃料を使用する。
  • 空燃比を濃い(リッチ)な状態にして燃焼室の温度を下げる。
  • 点火時期を遅角することで燃焼室の圧力を下げる。
  • 過給器付きエンジンは過給圧を下げる。
  • 圧縮比を下げる。
  • 吸入空気温度を下げる。
  • 燃料温度を下げる。
  • ウオーターインジェクションなどでシリンダーを直接冷却する。
  • 亜酸化窒素(一般的にNOS)などを使用し、気化熱の冷却効果を得る。
  • 湿度センサー、温度センサーなどで状況に応じた燃料と点火の制御をする。


 「空燃比を濃くする、点火時期を遅らせる、圧縮比を下げる」は、出力の低下と燃費の悪化を招きます。 また、実現が極めて困難な方法もあります。

 エンジンは常時、多少のノッキングを発生しています。 またノッキングしている状態の方が出力が高く、効率の良い状態といえます。

 ただし、ノッキングの発生するタイミングとノッキングの量が問題です。 限度を超えたノッキングは、ピストンやシリンダーの溶解を引き起こします。 そこで、最適な空燃比とノッキングの解析が重要となってくるのです。

ノッキング発生限界点にエンジン制御をすることが、燃焼の効率を高めることになります。

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■ 気筒間のバランス問題とノッキング制御

 電子制御により進化したエンジンですが、現状でも非常に多くの損失があります。

 現在、内燃機関としての機械的な構造は、コスト比でかなり完成しています。 空燃比センサーやノックセンサーを使った高性能ECUによるクローズドループ制御によって秒単位までのロスは大きく削減されてきました。

 現状の内燃機関で残っている大きな損失と言えるのが、気筒間の燃焼バランスの問題です。

 一般的な車両は、2~8気筒エンジンが多く採用されています。
 このような多気筒型エンジンは、機械的な損失と共に制御上の損失が多く発生します。
 つまり、気筒数が増えるほどに制御が難しくなり、損失が拡大します。


通常のエンジンコントロールコンピューターは、シリンダー個別に燃料の噴射量と点火時期を調整していません。


 すべてのシリンダーで、同じ点火時期で、同じ量の燃料を噴射しています。 これではノッキングの発生するシリンダーにあわせて(最悪値にあわせて)制御されるために、大きな損失になっています。 また、エンジン性能も最も条件の悪いシリンダーにあわせて決まるため、効率的ではありません。

 例えば、インジェクター噴射量の個体誤差により、あるシリンダーでノッキングが発生します。 その場合、ノッキングが発生したシリンダーには燃料の増量か点火時期の遅角が必要ですが、ノッキングの発生していないシリンダーまで同じ制御がなされます。

  点火時期は、「1度に付き、およそ1%」の出力に影響すると言われています。

 現状では、一部シリンダーのノッキング回避のために他のシリンダーの点火時期まで遅角されています。 つまり、最もノッキングしやすい気筒にあわせて余裕のあるシリンダーの点火時期まで一緒に遅角されたり燃料の増量が行われており、大きな無駄が生じています。

  このように、多くの純正エンジンで点火時期を2度 から3度余裕持たせてありますので、同じ燃料消費量で2から3%の出力損失を生じていることになります。

 ノッキング発生の精密で高速な検出は、燃費の向上と出力の高効率化にとって非常に重要です。

 実現可能な解決策は、一回の点火燃焼ごとに測定結果をフィードバックし、次回の燃焼を最適化する事です。

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ページ作成日 : 2009/07/19