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ノッキングの発生する時期



 ノッキングは、点火直後に発生するものではありません。

 シリンダーはピストンにより圧縮され、上死点の少し手前でスパークプラグにより点火されます。この時点で点火直後のシリンダーはまだ圧縮が続いていますが、同時に点火による爆炎が広がっていきます。 そして、限界点を超える時点でノッキングが発生します。

 したがって、ノッキングが発生するまでには、点火から一定の時間がかかります。

 エンジンにより異なりますが、およそ点火後30度前後よりノッキングが始まり、ピストンが下降するに従いシリンダー内の圧力が下がりノッキングも減少します。 その間、ノッキングの発生する可能性のある期間のことを、「ノックウインドウ」と言います。


このノックウインドウ期間以外に点火ノッキングが発生することはありません。

 下の図で、黄色い部分がノッキングの発生する可能性がある期間です。


knock_window_1.jpg

 

エンジンの半行程
ノッキングの発生する時期 ノックウインドウ



 ノッキングの計測をされてきた方の多くは、今まで思ったような結果が出なかった事と思います。 具体的には、ノッキング周波数の予測が難しく、多くのエンジンノイズに埋もれるノック音の抽出、ノッキングと判断するレベルの決定が難しいことです。 大きな原因は、一般的なノッキング計測機器はノックウインドウを考慮していないためです。

 4サイクルエンジンは2回転で一工程、720度ですが、ノックウインドウは60度ほどしかありません。
 ノックウインドウは一工程のうち約1/12程度の期間しか無い
のです。

  一般的なノッキング計測器は、ノイズを含むすべての期間で音(振動)を取得して、イコライザーで特定の周波数成分を抽出し、一定以上ならノッキングと判断 します。 これでは、本来の12倍以上のノイズも同時に拾うことになり、雑音に埋もれた短波放送を聞き分けるのに似ています。

 ノイズ は、クランクやピストンなどから発生するメカノイズ、インジェクターの噴射打音、点火ノイズ(電気的・機械的)など、非常に多様で広い周波数帯域を持って います。 これでは、イコライザーを使ってノッキング成分のみを抽出しようとしても、非常に難しい事がわかります。

 

knockpressure.jpg

燃焼室の圧力変化
上死点TDCを過ぎてからノッキングが始まる

 この図からも、TDC後10度から60度の間だけノッキングを検知できれば十分と言う事が分かります。


 このように、ノックウインドウを考慮したノッキングの判定が重要な要素となります。



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ページ作成日 : 2009/07/19