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エンジンノッキングの原因について
ノック(ノッキング)とは打音の事で、様々な原因と発生源があります。
たとえばボディやクラッチなどから発生する打音や振動もノッキングと言われますし、ピストンのスカート部が振れてシリンダーと衝突することにより発生するスカートノックもあります。 これらはハードウエアー構造の問題です。
ここでは、燃費を決定するエンジン燃焼の効率とエンジンの耐久性に対して最も影響のあるノッキングについて解説します。
■ 点火ノック
ノッキングの中でエンジンの耐久性や出力、燃費などに最も影響し、制御が可能なのは「点火ノック」です。
4サイクルエンジンは燃焼室がピストンによって圧縮された後、スパークプラグによって点火され、爆燃(爆発の火炎)によって燃焼室が圧縮されてピストンを押し下げることで運転します。
通常の爆燃ではピストンが下がると共に圧縮が解放されます。
この場合の爆燃速度は、約30m/secです。
しかし点火後の爆炎による圧縮が通常よりも大きすぎる場合、「シリンダー内のより圧力のかかりやすい場所」から自然に着火するようになります。 これは通常の点火で生じる爆炎ではなく、圧縮後の火炎による「さらなる」圧縮状態での着火のため大きなエネルギーを持ちます。
この状態の爆燃速度は、2000m/secを超えます。
この衝撃波と、衝撃波によって生じる爆轟現象と、プラグによる通常の点火によって生成された爆炎と衝撃波との衝突などが非常に大きなエネルギーを持っています。 これが燃焼室に大きなダメージを与えます。

燃焼室内の圧力変化
衝撃波によるピストンやシリンダーなどへの直接のダメージと、圧力、高温度により、燃焼室内部に非常に大きなストレスを生じます。
燃焼室内で衝撃波が発生すると、衝撃波による断熱層(境界層)※の破壊が生じ、シリンダーやピストンが直接高熱にさらされるようになります。
この状態が続くと、ピストンやシリンダーが熔解します。
■ ノッキングの発生する場所
燃焼室内の圧力はすべての地点で一定ではありませんので、燃焼室の形状や大きさにより影響を受けます。 つまり、エンジンの基本構造によってノッキングしやすいエンジンやノッキングしにくいエンジンが存在します。
基本的にシリンダー直径が大きくなるにつれて、ノッキングしやすく(対ノック性は低下)なります。

異常燃焼の主な発生部
ノッキングの主な発火点は点火プラグからの最遠部です。
他にスキッシュエリア(上死点時の燃焼室の隙間)から発生する場合もあります
エンジンの基本構造として小サイズのシリンダーエンジンの方が、点火プラグから燃焼室内の距離が短いためにノッキングしにくくなります。 これは、スパークプラグによる爆炎が短時間でシリンダー内に充満しやすいためです。 このことから高性能を追求するエンジンの対ノック性向上のためには多気筒化が有効な手段になっています。
次のような場合、ノッキングが発生しやすくなります。
- 高圧縮エンジンの場合
- 過給器付き(ターボやスーパーチャージャー)エンジンの場合
- 燃料のオクタン価が低い場合
- 燃料の量が不足している場合
- 点火時期が早すぎる場合
- 点火不良の場合
- 吸気温度が高温になった場合
- エンジン温度が高くなった場合 など
※ 断熱層(境界層)=いわゆる空気の保温壁で、熱めの風呂に入りじっとしていると熱さを感じなくなるのは、この断熱層によるものです。その状態でお湯をかき回すと再び熱く感じるのは、この境界層が壊れるためです。エンジン内部も同様の現象が起こっています。
※ ノッキングやデトネーションは外来語で、日本語化での解釈の違いもあり用語の使われ方が異なる場合があります。
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ページ作成日 : 2009/07/19
